アロマテラピーの歴史は古く、最古の資料としては紀元前3000年頃のメソポタミア文明の石碑に記述が残っています。
この頃はスギの木を焚き、その香りを神にささげていたようです。
古代エジプト時代では、様々な用途に用いられるようになりました。
古代エジプト時代に書かれたパピルス書にはミルラやシナモンといった現在でもおなじみの香料の作り方が記されています。
また、魂はよみがえると信じられ、防腐効果のある植物であるフランキンセンスやミルラ、シダーウッド精油を用いてミイラが作られていたようです。
さらに、あの有名なツタンカーメンのお墓から見つかった香膏壷は現在でも香りが残っているそうです。
また、香料は古代ギリシャでも幅広く使われており、古代ギリシャ医学の大家であるヒポクラテスは香油を使ったトリートメントを発案しています。
この頃になるとローズウォーターが使われるようになり、香料の主役となっていきます。
中世になるとヨーロッパでは香水が発明されます。
この頃の香水はローズマリーとアルコールを蒸留したもので、「ハンガリーウォーター」と呼ばれていますが、これが香水の起源と言われています。
そして近世にはいると、世界初の株式会社として有名な東インド会社によって世界中で香料の取引が行われるようになります。
しかしこの頃までは「アロマテラピー」という言葉は存在せず、「アロマテラピー」という言葉が生まれたのは20世紀初頭のことです。
この言葉を生み出したのはフランスの科学者であるルネ・モーリス・ガットフォセという人物で、彼は1937年に「アロマテラピー」という著書を発表しています。
ルネ・モーリス・ガットフォセは研究室での実験中にひどい火傷を負いますが、傷にラベンダーの精油を塗ったところとても綺麗に治癒したそうです。この経験をきっかけに彼は精油の研究に没頭することになったようです。
日本でアロマテラピーが普及し出したのはまだ最近のことではありますが、精油の存在は遥か昔から存在していたのですね。
いつの時代も人々は植物の香りを愛し、その作用を知っていて生活の中に取り入れていたのです。
アロマテラピーに関する著書は数々発表されており、あらゆる分野で精油の研究はされてきたようです。
これからの発展がますます期待されます。